宗教新聞について

5月20日

韓国ドラマ「冬のソナタ(原語は恋歌)」が、わが国でも大変な人気だ。韓国では最高視聴率65・8%まで記録した。
春川・龍平などのロケ地には、日本からもたくさんのファンが押し掛け、韓国語を学ぶ人たちが激増しているというから、日韓親善への貢献も大きい

▼このドラマの良さは、主役のペ・ヨンジュン(カン・チュンサン役)、チェ・ジウ(チョン・ユジン役)だけでなく、各俳優が巧みな会話、表情の豊かさで、真実の心を表現していることにある。三角関係のもつれから起こる激しい感情の中にも、互いにいたわり合う心の優しさ、率直さ、純粋さ、素直に「ミアネ(ごめん)」といえる人間性の豊かさが伝わってくる。チェ・ジウの演ずる茶目っ気たっぷりの愛らしいユジンが愛によって変わっていく様を通して、現実では起こりえない物語だとわかっていても、一筋の愛の美しさとその強さに感動を禁じえない。永遠の愛は、いつの時代にも人の心を打つ。美しいものは美しいのだ。
そこに理屈はない。
洋画のような露骨な描写は微塵もなく、兄妹のような愛を基調として、きれいな愛が全編を貫いている

▼このドラマは、一人の男性のために貞操を守り通した韓国の古典「春香伝」の現代版といえるかもしれない。
恋とは亦(また)の心(第二の心)と書く。第一の心とは神への愛。二つの心が合わさって、本当の愛が生まれるのだろう。
今日まで、天から見れば、恋は罪業ゆえに煩悩であった。しかし、罪業が消えたときには、天から与えられた肯定すべき人間の自然な情感として再認識されるに違いない。
そのような時代の到来を予感させるものがある。宗教はなくなり、人の中に生き続ける、それでいいのかもしれない。

↑ PAGE TOP